用途地域を調べる
- 「○○市 用途地域」で検索して、その場所がどの用途地域に属するかを確認します。
- 東京都の場合、「東京都都市整備局」の公式サイトで用途地域を調べることができます。他の地域でも、市役所や区役所のホームページで類似のサービスが提供されていることが多いです。
用途地域の種類と規制
- 住居専用地域:一般的に、小規模な喫茶店は可能な場合がありますが、飲食店の営業には制限があることがあります。
- 商業地域や近隣商業地域:飲食店を開業するのに適した地域ですが、騒音や臭気対策が求められることもあります。
- 準工業地域:ある程度の飲食店が可能ですが、周囲との調和を考える必要があります。
自治体の条例を確認
- 自治体ごとに異なる条例があるため、直接役所や都市計画課に問い合わせるのが確実です。例えば、近隣の住民からの苦情が予想される場合、許可が下りないこともあります。
許可申請が必要な場合
- 保健所からの営業許可:飲食店として営業する場合は、厨房の設計や設備が基準を満たす必要があります。
- 消防署の確認:火気設備や避難経路の確保が必要です。
静かなエリアでの注意点
- 静かな住宅街で営業する場合、近隣住民とのトラブルを避けるために、騒音、臭気、駐車場問題に配慮することが求められます。
用途地域や規制を事前に確認し、計画をしっかり練ることで、トラブルを防ぎながらスムーズに開業できるようになります。
1. 1低(第一種低層住居専用地域)
- 特徴:住宅の環境を守るための地域。2階建て程度の戸建住宅が多い。
- 例:郊外の住宅街(例:田園調布、芦屋など)
業種 | 可否・条件など |
---|---|
飲食店 | × 不可 |
小売業 | × 不可 |
塾 | ○ 延床150㎡以下(住居に附属する場合) |
農業 | ○ 畑やビニールハウスは可能 |
結婚相談所 | ○ 自宅の一室であれば可能(150㎡以下) |
エステ | ○ 自宅兼用可(150㎡以下) |
ネイルサロン | ○ 自宅兼用可(150㎡以下) |
不動産仲介業 | × 原則不可(住宅用途限定) |
覚え方:「1低は”住”の守護神」 → 住宅中心。
注意:商業系施設は基本NG。
2. 2低(第二種低層住居専用地域)
- 特徴:1低より少し緩めで、小規模な店舗・事務所が可能
- 例:落ち着いた郊外住宅地
業種 | 可否・条件など |
---|---|
飲食店 | ○ 150㎡以下 |
小売業 | ○ 150㎡以下 |
塾 | ○ 150㎡以下 |
農業 | ○ 自宅裏で畑など可 |
結婚相談所 | ○ 自宅で可(150㎡以下) |
エステ | ○ 150㎡以下 |
ネイルサロン | ○ 150㎡以下 |
不動産仲介業 | × 原則不可(事務所不可) |
覚え方:「2低=ちょっとだけOK」
注意:小規模なら可。150㎡制限に要注意
3. 1中高(第一種中高層住居専用地域)
- 特徴:マンションや中高層住宅が可能な住宅地域
- 例:都市近郊のマンション群(例:吉祥寺周辺)
業種 | 可否・条件など |
---|---|
飲食店 | × 不可 |
小売業 | × 不可 |
塾 | ○ 150㎡以下 |
農業 | ○ 可 |
結婚相談所 | ○ 可(住宅の一部使用) |
エステ | ○ 可(150㎡以下) |
ネイルサロン | ○ 可(150㎡以下) |
不動産仲介業 | × 原則不可 |
覚え方:「1中高=中層住宅にやさしい」
注意:商業施設は不可
4. 2中高(第二種中高層住居専用地域)
- 特徴:1中高よりやや緩やか。一定の商業施設も可。
- 例:マンション街の1階に店舗があるタイプ
業種 | 可否・条件など |
---|---|
飲食店 | ○ 150㎡以下 |
小売業 | ○ 150㎡以下 |
塾 | ○ 150㎡以下 |
農業 | ○ 可 |
結婚相談所 | ○ 可(150㎡以下) |
エステ | ○ 可(150㎡以下) |
ネイルサロン | ○ 可(150㎡以下) |
不動産仲介業 | × 原則不可 |
覚え方:「2中高=生活店舗も入る」
注意:商業利用は150㎡まで
5. 1住(第一種住居地域)
- 特徴:住居が中心だが中規模店舗も可。
- 例:駅近の中層マンションエリア
業種 | 可否・条件など |
---|---|
飲食店 | ○ 可 |
小売業 | ○ 可 |
塾 | ○ 可 |
農業 | ○ 可 |
結婚相談所 | ○ 可 |
エステ | ○ 可 |
ネイルサロン | ○ 可 |
不動産仲介業 | ○ 可 |
覚え方:「1住=町の生活拠点」
注意:住宅が主、でも商業もほどよくOK
6. 2住(第二種住居地域)
- 特徴:1住より緩い。パチンコ店・カラオケボックスも可。
- 例:駅前通り沿いの住宅+娯楽施設エリア
業種 | 全て可能です(大規模施設含む) |
---|
覚え方:「2住=生活+娯楽」
注意:周辺との調和を要確認
7. 準住(準住居地域)
- 特徴:幹線道路沿いに多く、ドライブインや販売施設も可
- 例:国道沿いの店舗・住居併用地域
| 業種 | 全て可能です(飲食チェーンなどもOK)|
覚え方:「準住=住居+ロードサイド型商業」
8. 近商(近隣商業地域)
- 特徴:日常的な買い物を支える店舗が集まる地域
- 例:駅前商店街やスーパーエリア
| 業種 | 全て可。規模も自由(要届出)|
覚え方:「近商=暮らしのショッピングゾーン」
9. 商業(商業地域)
- 特徴:最も自由な商業地。ビル、百貨店、風俗業も可。
- 例:銀座、渋谷、梅田など繁華街
| 業種 | 全て可。ビル内での運営も自由|
覚え方:「商業=何でもできる金の街」
注意:居住もできるが騒音・繁華性あり
10. 準工(準工業地域)
- 特徴:軽工業やサービス施設が混在できるエリア
- 例:工場跡地、倉庫街など
| 業種 | 全て可能。制限少なめ|
覚え方:「準工=ちょっと工業+商業」
11. 工業(工業地域)
- 特徴:住宅は建てられるが、主に工場向け
- 例:港湾近くの製造施設エリア
| 業種 | 飲食・塾・不動産業など○(風俗業は不可)|
覚え方:「工業=住んでもいい工場地帯」
注意:住宅環境は厳しい
12. 専工(工業専用地域)
- 特徴:住宅や店舗はNG。工場専用
- 例:重工業地帯(例:川崎の工業地帯)
| 業種 | × 全て不可(工場のみ)|
覚え方:「専工=工場オンリー」
注意:人が暮らす前提ではない
13. 田園(田園住居地域)
- 特徴:農業をしながら住む地域。市街化調整区域に近い雰囲気。
- 例:農村地帯と宅地の間くらいの場所
業種 | 条件付きで可能(下記) |
---|---|
飲食店 | ○ 農産物提供型(例:農家カフェ) |
小売業 | ○ 農産物直売所など |
塾 | ○ 小規模であれば可 |
農業 | ◎ 本来の目的 |
結婚相談所 | ○ 自宅での運営なら可 |
エステ | ○ 小規模自宅兼用可 |
ネイルサロン | ○ 小規模自宅兼用可 |
不動産仲介業 | ○ 住居部分での運営なら |
覚え方:「田園=農ある暮らし+少しの商業」
注意:農業目的の土地活用がメインであることを忘れずに
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