■ 1. まず前提:人生計画の基準は「額面(年収)」ではなく手取り
50代・60代は、こんな変化が重なります:
- 税金・社会保険料負担が大きくなる(介護保険料など)
- 子どもの教育費がピークまたは終了
- 親の介護費が必要になる可能性
- 退職が見えてくる(収入が変化)
よって、計画の基準は必ず 手取り=可処分所得 にします。
■ 2. まず把握すべき「50代・60代の手取り安全ライン」
ここでは実際に多くの家庭が使う大まかな手取りラインを示します。
✔ 一般的な会社員・自営業者の手取り目安
(地域、会社規模によって前後します)
年代 額面収入の例 月の手取り目安 ボーナス後平均
- 50代前半 450〜650万円 28〜40万円 年間手取りは額面の78〜82%
- 50代後半 450〜700万円 27〜38万円 同上
- 60〜64歳 300〜450万円 18〜28万円 (再雇用・契約など)
- 65歳以降 年金中心 12〜22万円 夫婦合計の場合も多い
👉 50代後半から60代は“年収より手取りが減りやすい時期”。
税・社保が重くなり、額面が上がっても手取りが増えないのが特徴。
■ 3. 「老後資金」の安全ライン
老後(65歳以降)に必要な資金は次の式で整理できます。
✔ 老後生活の基本式
年間生活費 - 年金受給額 = 毎年の不足額
不足額 × 老後の年数(20〜30年)= 老後資金の必要額
✔ 老後資金の“安全ライン”
一般的な目安:
世帯 月の年金の目安 月の不足額の目安 必要な老後資金
- 夫婦(平均値) 約21〜23万円 3〜5万円 約1,000〜1,500万円
- 単身 11〜13万円 5〜8万円 約1,500〜2,000万円
👉 よく言われる「老後2,000万円問題」は、単身者とゆとりある生活をしたい夫婦が該当。
★ 50代からの貯め方の安全基準
50〜60代で貯める人が多いので、以下を安全ラインにします。
- 50代:毎月 手取りの10〜15%を老後資金に積立
- 60〜65歳:毎月 手取りの5〜10%を老後資金に積立
無理に貯金額を増やすとキャッシュ不足になるため
“手取りの割合”で考えるのが超重要。
■ 4. 50代:手取りで作る「プレ老後計画」
- 50代はまだ働ける。
- ただし支出の見直しと準備が最重要。
● 50代でやるべきこと(優先順位)
① 固定費を“手取りの50%以内”に収める
- 住宅ローン
- 保険
- 車
- 通信費
- 光熱費
- サブスク
👉 固定費が多すぎると老後準備ができない。
② 住宅ローンの残りを把握する
退職後も返済が続くと家計がほぼ破綻します。
✔ 理想:退職までに完済
✔ 代替案:50代で借り換え or 繰上げ返済シミュレーション
③ 親の介護・実家問題を“早めに整理”
- 介護が必要な場合、毎月5〜8万円は最低でも出費
- 実家が空き家になると固定資産税+管理費
- 相続トラブルリスク(兄弟、共有名義など)
👉 50代は「介護・相続・実家」の準備が最重要フェーズ。
④ 収入源の確保(副業・資格・起業準備)
退職後の収入ダウンを防ぐには、
- 資格取得
- 週1〜2日の副業
- 小規模事業の準備
- コンサル・講師・士業補助
「手取り+3〜5万円」の収入源があるだけで老後資金の余裕が全く違います。
■ 5. 60代:手取りで作る「セカンドライフ計画」
● ① 収入の下がり方を計算しておく
- 60〜64歳は「再雇用」の人が多い。
- 額面は30〜50%減
- 手取りはさらに少なくなる(社保・税は重い)
👉 手取りの急落に耐えられるかが勝負
● ② 支出を“手取りの70%以内”に調整
- 外食減らす
- 車を手放すか再検討
- 保険の見直し
- 旅行・趣味の費用を整理
無理に節約するとストレスになるので、
固定費だけ下げて、楽しみの支出はメリハリをつける。
● ③ 退職金の使い方を計画
退職金の安全な使い方ベスト3:
- 住宅ローンの完済
- 生活防衛資金(半年〜1年分)
- 老後の積み立て(つみたてNISA+安全な預金)
※ 投資で増やそうと無理をすると危険。
● ④ 年金の受け取り方プラン
- 65歳受給が基本
- 健康と働く予定で決める
■ 6. 最終まとめ:50代・60代の「手取りで考える人生計画」はこうする
✔ 手取りで考える“3ステップ”
STEP1 可処分所得を把握し、固定費を整理
→ 手取りの50%以内が黄金ルール
STEP2 50代で老後資金を10〜15%ずつ貯める
→ 60代までに1,000〜1,500万円が安全ライン
→ 子どもの独立後は貯めやすい
STEP3 60代は“手取りの急落”にそなえて生活費を調整
→ 退職金の使い方、年金受給タイミングを最適化



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