異国籍が交流する場所では、文化的な違いによって誤解を招くことがあります。以下に国籍別で、特に注意が必要な発言・手振り・身振り・しぐさを簡潔にまとめます。
【アメリカ】
- 発言：個人の自由を重視するため、過度なプライバシー質問（年齢・収入・宗教）はNG。
- ジェスチャー：親指を立てる（OK）はポジティブ。中指を立てるのは侮辱。
- しぐさ：アイコンタクトは礼儀。目をそらしすぎると不誠実に見える。
【中国】
- 発言：「台湾は中国の一部」など政治的話題は避ける。
- ジェスチャー：人を指で指すのは失礼。手のひらで指すのが◎。
- しぐさ：人前での批判や大声での非難はメンツを潰すのでNG。
【韓国】
- 発言：年齢・上下関係を重んじるため、年齢を聞かれるのは一般的だが、軽く返すのが無難。
- ジェスチャー：手招きは手のひらを下にして行う。上向きだと犬の呼び方。
- しぐさ：年上には両手で物を渡すと丁寧。
【インド】
- 発言：宗教（特にヒンドゥー教とイスラム教）関連の話題は慎重に。
- ジェスチャー：左手で食べ物や物を渡すのはNG。左手は不浄の手。
- しぐさ：靴で人や神聖なものを触れるのは失礼。
【中東諸国（例：サウジアラビア）】
- 発言：宗教、王族、政治への批判は厳禁。
- ジェスチャー：左手使用は避ける。足の裏を見せるのもNG。
- しぐさ：握手は同性同士のみ。異性への接触は避ける。
【タイ】
- 発言：王室批判は犯罪。冗談でもNG。
- ジェスチャー：頭を触るのは非常に失礼。特に子どもでもNG。
- しぐさ：「ワイ（手を合わせる挨拶）」は目上に使うと丁寧。
【ヨーロッパ（例：フランス・ドイツ）】
- 発言：プライベートな話（収入・宗教・家族構成）は避ける。
- ジェスチャー：OKサイン（親指と人差し指で輪）は侮辱の意味になる国もある。
- しぐさ：フランスではフレンドリーでも、初対面で体に触れるのは控えめに。
【フィリピン】
- 発言：貧困や政治汚職の話題は避けた方が無難。
- ジェスチャー：唇をすぼめて方向を指す（日本人には分かりにくい）。指で人を指すのは失礼。
- しぐさ：年上や敬意を払う相手には丁寧な言葉遣いを。
【ベトナム】
- 発言：戦争関連の話題には慎重に。
- ジェスチャー：頭を触るのはNG。人を呼ぶ時は手のひらを下にして指を動かす。
- しぐさ：公の場での過度なスキンシップは控える。
【ブラジル】
- 発言：宗教・人種・貧富の差に関する話題は避ける。
- ジェスチャー：OKサインは侮辱になることも。
- しぐさ：パーソナルスペースが狭く、距離が近いのが普通。驚かないように。
【ロシア】
- 発言：ロシア批判や冷戦ネタは避けた方がよい。
- ジェスチャー：笑いながら謝るのは不誠実と受け取られる。
- しぐさ：玄関で帽子をかぶったまま、手袋をしたままは無礼。
【ナイジェリア】
- 発言：宗教（イスラム・キリスト教）の違いや政治対立に触れない。
- ジェスチャー：左手での握手や受け渡しはNG。
- しぐさ：目上の人に強く目を合わせすぎると無礼に映ることも。
【トルコ】
- 発言：宗教、特にイスラム関連の冗談は避ける。
- ジェスチャー：親指を立てるのが侮辱になる地域も。
- しぐさ：靴を脱ぐ場面が多い。座るときに足の裏を人に向けない。
【インドネシア】
- 発言：宗教や民族の話題は慎重に（多数派はイスラム教だが多民族国家）。
- ジェスチャー：左手での食事・握手・物の受け渡しはNG。
- しぐさ：怒りを公然と見せることは失礼とされる（微笑みでやり過ごす文化あり）。
【マレーシア】
- 発言：人種や宗教（特にマレー系・中華系・インド系）に関する比較は避ける。
- ジェスチャー：指で物を指すのはNG。親指を使うのが礼儀。
- しぐさ：イスラム教徒の女性とは握手を控えるのがマナー。
【イタリア】
- 発言：宗教や政治への強い批判には注意（特にバチカンや教会に対する発言）。
- ジェスチャー：手振りが多い文化だが、アゴを上げて顎で指すような仕草は失礼。
- しぐさ：「マンマミーア！」のような手をすぼめたジェスチャーは日常的だが、使い方を間違えると怒りの表現になる。
【スペイン】
- 発言：「スペイン＝ラテンアメリカ」と一括りにされるのは好まれない。
- ジェスチャー：両手で肩をすくめるのは無関心や皮肉と受け取られる場合も。
- しぐさ：会話中に肩や腕に触れることが多く、スキンシップが多い文化。
【エジプト】
- 発言：宗教や政治、特に女性の扱いに関する冗談はNG。
- ジェスチャー：靴を見せる・投げるのは最大の侮辱。
- しぐさ：男女間の身体接触は控えめに。
【ケニア】
- 発言：部族間の違いに関する話題には注意。
- ジェスチャー：指さしは避け、顎や唇を使って方向を示すことがある。
- しぐさ：時間にルーズな感覚を持つこともあるため、急かさない方が◎。
【ニュージーランド】
- 発言：「オーストラリアと似てるね」と言うのは失礼と取られることがある。
- ジェスチャー：マオリ文化を尊重する姿勢が大切（ハカなど）。
- しぐさ：過度な自己アピールは好まれない。控えめが美徳。
【オーストラリア】
- 発言：アボリジニ文化について軽く扱う発言はNG。
- ジェスチャー：握手はカジュアルだが、目を見てするのが礼儀。
- しぐさ：ユーモアを交えた会話が好まれるが、ブラックジョークには注意。
【イスラエル】
- 発言：宗教・政治（特にパレスチナ問題）はデリケート。慎重に。
- ジェスチャー：急な身振り手振りは緊張を生む場合あり。落ち着いて話すと◎。
- しぐさ：土足文化だが、宗教施設では脱ぐことも。
【ポーランド】
- 発言：第二次世界大戦やソ連支配の話題は避ける。
- ジェスチャー：「Vサイン（手の甲を外に向けて）」は侮辱的。
- しぐさ：丁寧な挨拶を好む。女性には軽いお辞儀や手の甲へのキスの文化も。
【チェコ】
- 発言：チェコスロバキアと言うのは古い。今は「チェコ」が正解。
- ジェスチャー：人差し指を立てて回すのは「あなたはバカ」の意味。
- しぐさ：公共の場での大声は控えるのがマナー。
【アルゼンチン】
- 発言：「スペイン語＝メキシコ語」などと一括りにしない。
- ジェスチャー：手のひらを上にして胸の前で叩く仕草は「もうたくさんだ」の意味。
- しぐさ：時間にルーズな傾向あり。5〜10分の遅刻は許容範囲。
【モロッコ】
- 発言：宗教や王室の話題は絶対に避ける。
- ジェスチャー：左手の使用は避ける（食事・握手など）。
- しぐさ：異性へのボディタッチは控えるのが安全。
【ハンガリー】
- 発言：「東欧」とひとくくりにされるのを嫌う人もいる。
- ジェスチャー：ビールで乾杯する際に「グラスをぶつける」のは、歴史的背景から敬遠されることも。
- しぐさ：礼儀を重んじる文化。無言でのスキンシップは避ける。
【ネパール】
- 発言：カースト制度や宗教の違いについての話題は慎重に。
- ジェスチャー：頭を触るのは失礼。左手の使用も避ける。
- しぐさ：合掌（ナマステ）は丁寧な挨拶。大声を出すのは控える。
【エチオピア】
- 発言：植民地支配されなかった誇りがある国。アフリカ諸国と一括りにされるのは好まれない。
- ジェスチャー：手のひらを広げて顔の前でひらひらさせると「気が狂ってる」の意味。
- しぐさ：親密な関係でも同性間で手をつなぐのは普通。驚かないこと。
【モンゴル】
- 発言：遊牧民文化への無理解な発言はNG。
- ジェスチャー：足を他人に向ける、足を組んで相手を向くのは無礼。
- しぐさ：ゲル（住居）では柱に寄りかかったり、中央を歩いたりしないのが礼儀。
コメント