― 自宅に戻るか、施設に入るか。費用はいくらかかるのか ―
リハビリ病院退院後の進路
リハビリ病院退院後の進路は、感情ではなく、次の3つの客観的基準で判断します。
- 身体機能(移動・排泄が自立しているか)
- 認知症の有無と程度
- 家族の介護体制(同居・近居・継続性)
この3点を整理すれば、進路はほぼ決まります。
判断基準① 身体機能
| 状態 | 判断の目安 |
|---|---|
| 杖・歩行器で歩行可能 | 自宅復帰が現実的 |
| 車いす(移乗可) | 在宅+介護サービス、または老健 |
| 寝たきり | 施設入所が前提 |
※ トイレ動作と移動能力が最大の分岐点です。
判断基準② 認知症の状態
| 状態 | 判断の目安 |
|---|---|
| なし・軽度 | 在宅生活が可能 |
| 中等度 | 家族の介護力次第 |
| 重度 | 在宅は困難、施設が現実的 |
※ 身体機能が保たれていても、認知症が進行している場合、在宅生活は破綻しやすい点に注意が必要です。
判断基準③ 家族の介護体制
| 状態 | 判断の目安 |
|---|---|
| 同居・日中も対応可能 | 在宅の可能性が高い |
| 近居・仕事あり | 介護サービス併用が必要 |
| 遠方・家族も高齢 | 施設入所が現実的 |
※ 「気持ち」ではなく、長期間続けられる体制かが重要です。
判断マトリクス(実務用)
| 身体機能 | 認知症 | 家族体制 | 想定される進路 |
|---|---|---|---|
| ○ | ○ | ○ | 自宅復帰 |
| △ | ○ | ○ | 自宅+介護サービス |
| △ | △ | △ | 老健(中間施設) |
| × | △ | × | 認知症グループホーム |
| × | × | × | 特養・介護付き有料 |
| 医療依存 | ― | ― | 介護医療院 |
自宅に戻る場合の費用目安
退院時の初期費用
- 住宅改修(手すり等):10~50万円
- 福祉用具レンタル:月1~2万円
月額費用(介護保険1割負担の場合)
- 訪問介護・デイサービス等:2~4万円
- 合計:3~6万円/月
※ 家族の負担は、金銭よりも時間・体力・精神的負担が大きくなります。
老健(介護老人保健施設)の場合
- 費用:10~18万円/月
- 入所期間:原則3~6か月
- 位置づけ:在宅復帰または施設入所までの「中間地点」
※ 老健入所中に次の住まいを決めておくことが必須です。
高齢者施設に入る場合の費用目安
| 施設種別 | 月額費用 |
|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 8~15万円 |
| 認知症グループホーム | 12~20万円 |
| 介護付き有料老人ホーム | 20~35万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 10~25万円(介護費別) |
| 介護医療院 | 15~25万円 |
5年間でかかる総費用の目安
| 進路 | 5年間の累計 |
|---|---|
| 自宅生活 | 約200~350万円 |
| 特養 | 約500~900万円 |
| グループホーム | 約700~1,200万円 |
| 介護付き有料 | 約1,200~2,000万円 |
※ 長期視点での資金計画が不可欠です。
判断の正しい順序
- 医師・リハビリ職に「在宅復帰の現実性」を確認
- ケアマネジャーと要介護度を想定
- 家族の介護体制を冷静に評価
- 5年分の費用を試算
- 自宅・不動産をどうするか判断



コメント