健康ブームには「本当に良いもの」もあれば、「一時的な流行や誤解から来た微妙なもの」もあります。それを年代別に振り返りつつ、当時の社会背景や流行も合わせて紹介します。最後に、健康ブームで気をつけるべき点もまとめます。
【1970年代】
流行った健康法・食品:
- 玄米菜食(マクロビオティック)
- 自然食運動
- ヨガの普及(ヒッピー文化影響)
- 青汁(初期段階)
よかったもの:
- 自然食や玄米の栄養価重視は、現代でも支持される
- ヨガはストレス解消や柔軟性向上に有効
微妙だったもの:
- 極端なマクロビ:栄養バランスを欠くケースもあった
社会背景・流行:
- 高度経済成長による生活の豊かさと共に、食の安全への関心高まる
- 公害問題から「ナチュラル志向」も進む
【1980年代】
流行った健康法・食品:
- エアロビクス(オリビア・ニュートン・ジョン影響)
- カロリー制限・ダイエット食品
- ビタミン剤ブーム
- 低脂肪食品
よかったもの:
- 適度な運動習慣が広がる
- ビタミンの重要性の認知
微妙だったもの:
- 脂肪=悪とされた極端な「脂肪忌避」は栄養バランスを欠いた
- ダイエット食品の添加物過多
社会背景・流行:
- バブル景気で美やスタイルへの関心が高まる
- スリムボディ志向が主流
【1990年代】
流行った健康法・食品:
- プーアール茶・黒酢・にがり
- ダイエット器具ブーム(ぶらさがり健康器など)
- 食物繊維や発酵食品注目
- 水(ミネラルウォーター)ブーム
よかったもの:
- 発酵食品や水分摂取の見直し
- 食物繊維の再評価
微妙だったもの:
- にがり・黒酢の過剰摂取による体調不良
- 健康器具が「買って満足」で効果がないケース多数
社会背景・流行:
- バブル崩壊後、癒し・自分ケアの志向へ
- 健康志向のテレビ番組(伊東家の食卓など)も流行
【2000年代】
流行った健康法・食品:
- メタボリックシンドローム対策
- ココア・納豆・ヨーグルトブーム
- 有酸素運動、ウォーキング再評価
- サプリメント市場拡大
よかったもの:
- ウォーキングやバランスの取れた生活の見直し
- 発酵食品や腸内環境の重視
微妙だったもの:
- 納豆ダイエットブーム(テレビの捏造問題)
- サプリの過剰摂取問題
社会背景・流行:
- 健康番組の影響力が大きかった時代
- ストレス社会への対応としての健康志向
【2010年代】
流行った健康法・食品:
- 糖質制限ダイエット
- グルテンフリー
- スーパーフード(チアシード、キヌアなど)
- 筋トレブーム
- 腸活(乳酸菌、発酵食品)
よかったもの:
- 筋トレや運動習慣の再評価
- 糖質の質を考える流れ
- 腸内環境の重要性の認知
微妙だったもの:
- 極端な糖質制限で健康を害するケース
- 「◯◯だけで痩せる」系の誤情報拡散
社会背景・流行:
- SNSによる健康情報の拡散
- パーソナルトレーニングやジムブーム
【2020年代】
流行った健康法・食品:
- オートファジー(断食・16時間断食)
- ヴィーガン・プラントベース食品
- 発酵・菌活の深化(麹、甘酒)
- マインドフルネス、呼吸法
- ウェアラブル端末での健康管理
よかったもの:
- 科学的根拠に基づいた「ファスティング」や腸活の普及
- メンタルヘルスの可視化とマインドフルネス習慣
- 睡眠やストレス対策への関心拡大
微妙だったもの:
- 間違った断食法による低血糖や栄養失調
- 流行に乗っただけの「なんちゃってヴィーガン」
社会背景・流行:
- コロナ禍による健康意識の再燃
- 在宅勤務での運動不足解消やセルフケアの見直し
【健康ブームで気をつける点】
- 極端な方法は避ける:「〇〇だけ」「一日〇回」など偏りは危険
- 体質に合っているかを見極める: すべての人に合う健康法はない
- 科学的根拠のある情報か確認: SNSやテレビの情報を鵜呑みにしない
- 続けられるかが大事: 一過性で終わらず、生活に無理なく組み込めることが鍵
- 過剰摂取に注意: 健康食品でも摂りすぎは逆効果
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