相続で揉めるのは金銭的な問題だけでなく、遺産の「形」によるものも多いです。特に、処分や管理が難しいものが問題になりやすいです。以下に、相続でもらって困ることが多い財産とその対策をまとめます。
1. 車
困る理由
- 複数の相続人で共有しにくい
- 維持費がかかる(車検・税金・保険)
- 相続後に売却しようとすると名義変更や廃車手続きが必要
対策
- 生前に売却しておく:遺族が困らないように、不要なら整理
- 誰が引き継ぐか決めておく:相続人のうち、使う人を決める
- 売却を前提にする:遺言や遺産分割協議で「売却してお金で分ける」と決めておく
2. 実家(親の家)
困る理由
- 住む人がいないと固定資産税や管理費がかかる
- 売るか貸すかで意見が分かれる
- 遺産分割が難しい(複数の相続人がいる場合)
対策
- 生前に誰が住むか決める(同居している子供がいるなら、名義を変える)
- 売却を考えておく(不要なら生前に売却し、現金化)
- 家を相続する人が他の相続人に代償金を払う(公平にするため)
3. 別荘・空き家
困る理由
- 維持費が高い(管理費、固定資産税)
- 利用する人がいないと管理が困難
- 田舎の物件は売れにくい
対策
- 生前に売却する(市場価値があるうちに手放す)
- 寄付や自治体の制度を活用(買い手が見つからない場合)
- 相続人全員で維持管理の方針を決める(交代で使うか、手放すか)
4. お墓・仏壇
困る理由
- 遠方の場合、お参りや管理が大変
- 宗派や考え方の違いでトラブルになる
- お墓の維持費や管理料がかかる
対策
- 永代供養墓や合葬墓を検討(後継者がいなくても安心)
- 生前に墓じまいをする(引き継ぎが難しい場合)
- 誰が管理するか決めておく(負担を明確に)
5. 農地・山林
困る理由
- 使わない土地でも固定資産税がかかる
- 売却が難しい(買い手が少ない)
- 放置すると荒れてトラブルになる
対策
- 生前に売却または貸し出す(使わないなら手放す)
- 自治体の支援制度を調べる(農地バンクなどの活用)
- 相続前に誰が管理するか決める(分割せず1人が引き継ぐ方がスムーズ)
6. 美術品・骨董品・コレクション
困る理由
- 価値の査定が難しい(高価かどうか分からない)
- 売却する際の手続きが面倒
- 相続人の間で価値観が違う(売るか残すかで対立)
対策
- 生前に専門家に査定してもらう(価値を明確にする)
- 遺言で分け方を指定する(誰が何を相続するか決めておく)
- 売却して現金で分ける(相続人の公平性を保つ)
7. 借金・ローン付きの財産
困る理由
- 相続放棄しないと借金も相続する
- 不動産にローンが残っていると、処分しづらい
- 知らない借金が後から発覚することも
対策
- 相続前に財産を確認する(借金があるかどうか調べる)
- 相続放棄の手続きを知っておく(3ヶ月以内に決める)
- 団信(団体信用生命保険)加入を確認(ローンが免除される場合あり)
まとめ
相続でもらって困るものは多いですが、
「生前の準備」が一番の対策です。
✅ 不要なものは生前に整理・売却する
✅ 誰が相続するのか決めておく
✅ 専門家(弁護士・税理士・不動産業者)に相談する
家族と事前に話し合うことで、相続トラブルを防げます。
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