多くの組織で見られる「変化を恐れる文化」や「責任回避の構造」は、個人のやる気や創造性を削ぐ要因にもなっています。ここでは2つの視点――既存組織を変える方法と、自分で組織を作る際の注意点――に分けてお伝えします。
■ 1. 組織を変えるにはどうすればいいか?
◎「小さな実験」を成功させる
大きな変革は抵抗されがちですが、「まずやってみる」「小さく始めて結果を出す」ことで周囲を巻き込みやすくなります。
◎影響力を持つ前に信頼を築く
出世してからでなくても、信頼と実績があれば周囲に影響を与えることは可能。自分の意見を通すには「この人なら任せてもいい」と思わせる関係づくりがカギ。
◎「既得権益」を否定せずに超える
トップの居場所にしがみつく心理の裏には「これまでの努力の否定をされたくない」という感情もあります。古い価値観を否定するのではなく、「次の世代に繋ぐ」ようなストーリーを作ると受け入れられやすくなります。
◎同じ志を持つ仲間を増やす
一人で変えるのは難しくても、共感者がいれば可能性は広がります。部署内外での横のつながりを大切に。
■ 2. 自分で組織をつくる場合の注意点
◎「自分がしがみつかない仕組み」を作る
リーダーが居座り続けないためには、定期的にリーダーが交代するルール(任期制)や、意思決定に多様な声を取り入れる体制が必要。
◎「失敗できる文化」を設計する
挑戦を促すには、失敗を「学び」と捉える空気を作ることが大事。評価制度や報告のあり方にその思想を反映させましょう。
◎透明性と対話の場を維持する
小さな組織ほど、情報の透明性と定期的な対話(雑談含む)が信頼と柔軟性を保つ鍵になります。
◎目的に共感する人と始める
理念や方向性に共感している人と組織を始めることで、上下関係よりも「共通の志」が行動の動機になります。
組織理念・構造テンプレート
■ 組織名(仮)
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■ ビジョン(目指す未来)
例:だれもが安心してチャレンジできる社会の縮図となる組織
■ ミッション(存在意義)
例:高齢者と若者が協働し、地域に価値を生み出す活動を行う
■ バリュー(大切にする価値観)
- 挑戦を歓迎する
- 年齢や肩書よりも、思いと言動を重視する
- 透明性と対話を何よりも大切にする
■ 組織構造(図や説明)
- リーダー:任期制、交代制
- コアメンバー:運営に参加するメンバー(多世代、複数役割OK)
- サポーター:イベントや必要時に協力する外部の仲間
■ 意思決定の仕組み
例:重要事項は全員会議+簡易多数決、日常判断は分野別担当に委任
■ 挑戦・失敗の扱い方
例:月1回「失敗シェア会」を行い、失敗談から学びを共有する文化を定着
■ 将来的な拡張案
例:他地域への展開や、分野横断的な連携(農業×福祉など)
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