① 「財産」= 目に見える相続(従来の相続)
何を指すか
- 不動産(実家・アパート・土地)
- 預貯金
- 株・保険・年金
- 負債(ローン)
主な課題
- 評価(いくらの価値か)
- 分割(誰が何を取るか)
- 納税(相続税)
- 名義変更(手続き)
特徴
- 専門家(税理士・司法書士・弁護士)が関わりやすい領域
- 「数字」で語れる
- 争いになりやすいが、ルールは比較的はっきりしている
👉 従来の相続は、ほぼこの領域だけを扱ってきた。
② 「デジタル」= 見えにくい相続(これからの中心)
何を指すか(4分類)
1)アクセス資産(“鍵”)
- スマホのロック
- Apple ID/Googleアカウント
- 銀行アプリ
- マイナポータル
問題:鍵が分からないと、相続手続きそのものが止まる。
2)金銭価値のあるデジタル資産
- ネット銀行
- 仮想通貨
- ポイント・マイル
- サブスク
問題:家族が気づかず、相続財産から漏れる/課金が止まらない。
3)思い出資産(感情価値)
- 写真・動画
- LINEの履歴
- メール・ブログ・SNS
問題:ロック解除できず、データが取り出せないと“取り返しがつかない後悔”が残る。
4)身元・医療・生活データ
- お薬手帳アプリ
- 医療アプリ
- 年金記録
- 保険アプリ
問題:介護・相続の現場で必要なのに、整理されていない。
デジタル相続の核心
お金があっても、スマホが開けなければ相続は進まない。
これが「相続×デジタル」の本質です。
③ 「感情」= 相続の土台(いちばん大事)
何を指すか
- 親子関係
- 兄弟関係
- 介護の負担感
- 「親に何をしてもらったか」という記憶
- 「自分だけ損している」という不満
なぜ重要か
- 財産が少なくても感情がこじれると揉める
- 財産が多くても感情が整理されていれば揉めにくい
感情整理の3つの柱
1)気持ちの可視化
- 「何が不安か」
- 「何に怒っているか」
- 「何を大事にしたいか」
2)家族の物語の共有
- 親はどんな人生だったか
- 誰がどんな役割を果たしてきたか
3)合意形成
- 全員が100%満足は無理
- “納得できる着地点”を目指す
④ 三位一体で見る「新しい相続の地図」
これを図式化すると、こうなります。
| 観点 | 役割 | 失敗すると何が起きるか |
| 財産 | ルールと数字 | 税金トラブル・分割争い |
| デジタル | 鍵とデータ | 手続き停止・データ消失 |
| 感情 | 土台と人間関係 | 家族崩壊・長期対立 |
👉 どれも単独では足りない。三つそろって初めて“良い相続”。
⑤ 「新しい相続の公式」
相続とは
「財産を分けること」ではなく、
“財産・デジタル・感情を整理し、家族の未来をつなぐこと”である。
⑥ 実務に落とした「3ステップ」
STEP1:感情整理(最初にやる)
- 家系図づくり
- 家族の歴史の整理
STEP2:デジタル整理
- スマホの整理
- アカウント一覧化
- 写真・データの保存方法決定
STEP3:財産整理
- 不動産・預金の整理
- 専門家との連携(税理士・司法書士)
👉 順番が重要:
感情 → デジタル → 財産



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