「地方の実家を相続したから、節税目的でアパートを建てる」という選択は、昔は“常套手段”と言われましたが・・・
いまはリスクが非常に高いケースが増えています。
人口減少・空き家率上昇・賃貸需要の縮小により、建てた後に赤字と負担だけ残る例が全国で起きています。
「なぜ安易に建てない方がいいのか」「注意点」「代替案・進め方」を整理して解説します。
■安易な“節税目的新築アパート”は危険
❌ よくある誤解
- 「相続税が減るから得」
- 「銀行が貸してくれる=成功する事業」
- 「不動産会社が需要があると言っていたから安心」
➡ 多くは試算が“満室前提”
➡ 現実は 空室・賃料下落・修繕費増・ローン返済負担 が重くのしかかります。
■ 建てて失敗する主な理由
① 地方は人口減少・賃貸需要が縮小
- 若者がいない
- 高齢化
- 既に賃貸住宅が過剰
→ 空室率が慢性化
② 「節税効果」より「キャッシュフロー悪化」の方が大きい
- 相続税は一度だけ
- アパートのローン返済は数十年
- 修繕・固定資産税・管理費が増加
→ 毎年赤字=資産が減る
③ 建築会社の収益モデルが“家賃保証ありき”
- 家賃保証は数年後に減額
- 解約されてもオーナーは拒否できない
- 倒産リスクもゼロではない
→ “保証”はリスク転嫁にすぎない
④ 将来の出口がない(売れない・解体費が高い)
- 地方住宅地の木造アパートは買い手がつきにくい
- 解体費用300〜1,000万円超
→ 負動産(売れない資産)化
■ 特に注意すべき危険サイン
- 駅・大学・病院・工場が近くない
- 既に周辺にアパートが多い
- 地価下落エリア
- 不動産会社が「節税になります」と強調
- 事業計画が満室+賃料横ばい前提
- 自己資金ゼロ・フルローン提案
➡ これらが重なれば極めて危険
■ それでも「検討するなら」最低限やるべきこと
✅ ① “相続税対策”ではなく“事業”として採算を検証
- 空室率20〜30%でも黒字か?
- 家賃10〜20%下落しても耐えられるか?
- 修繕費・大規模修繕・原状回復費を反映しているか?
✅ ② 第三者にダブルチェック
- 建築会社以外の不動産コンサル
- 銀行以外のFP・税理士
➡ 利益とリスクを冷静に数値化
■ 建てる以外の「より現実的な選択肢」
① すぐに収益化しない(無理に動かない)
- まずは現状維持+固定費を抑える
- 需要を見極めてから判断
② 更地・アパート以外の活用を検討
- 月極駐車場
- トランクルーム・貸倉庫
- 企業社宅・福祉事業への貸し出し
- 庭だけ貸す(シェア畑・資材置場)
→ 低投資・低リスクで始める方が安全
③ 「売却+資産の組替え」も立派な対策
- 需要のある都市近郊物件へ乗り換え
- 現金化して将来の介護・医療資金へ備える
→ “守る相続”という考え方も重要
■ 進め方(おすすめの順番)
1️⃣ 家族で目的を整理
- 「節税?収益?将来住む?売却前提?」
2️⃣ 不動産価値・需要を客観評価
- (賃貸需要・売却実勢・人口動態)
3️⃣ 建てる以外の選択肢も比較
4️⃣ それでも建てる場合→
- “最悪ケースでも破綻しない計画か”を確認
いま必要なのは「増やす相続」ではなく“減らさない・守る相続”の発想です



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