相続が発生すると、故人(被相続人)の銀行口座は原則として凍結され、出金や振込ができなくなります。
凍結後の対応には手間と時間がかかるため、注意点ややるべきことを把握しておきましょう。
銀行口座凍結の注意点
- 引き出しができなくなる
→ 公共料金、家賃、借金の返済などの自動引き落としも停止する可能性あり。 - 遺族の生活費に影響
→ 生活費を故人の口座から引き出していた場合、すぐに使えなくなる。 - 共同名義の口座も注意
→ 単独名義だけでなく、場合によっては共同名義口座も影響を受ける。 - 銀行への連絡タイミングに注意
→ 連絡した時点で口座が凍結されるため、相続手続きをスムーズに進める準備が必要。 - 未支給年金の返還義務
→ 亡くなった後に振り込まれた年金は返還が必要な場合がある。
やるべきこと
- 生活費を確保する
→ 凍結前に遺族の生活費を別の口座に移しておく(ただし、後々トラブルにならないよう注意)。 - 銀行に連絡する前に遺産調査
→ どこの銀行に口座があるか、残高や借入金があるかを確認。 - 相続人の確認(戸籍収集)
→ 遺産分割には法定相続人を確定させる必要あり。
→ 故人の出生から死亡までの戸籍謄本を取得。 - 銀行へ連絡(口座凍結)
→ 銀行に死亡届を提出すると口座が凍結される。 - 相続手続きの準備
- 遺言書の有無を確認(公正証書なら家庭裁判所の検認不要)。
- 法定相続人で遺産分割協議(協議書を作成)。
- 必要書類を準備(戸籍謄本、遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明など)。
- 銀行で相続手続き後、口座の名義変更や解約を行う。
- 相続税の申告(必要なら)
→ 亡くなってから10か月以内に申告・納税が必要(基礎控除額を超える場合)。
スムーズに進めるポイント
✔ 銀行口座をリストアップし、必要な残高を事前に確認
✔ 早めに相続人間で話し合う(トラブル回避)
✔ 司法書士や税理士に相談すると負担が減る
✔ 相続放棄の検討(負債がある場合):3か月以内に家庭裁判所で手続き
銀行ごとに手続きが違うので、各銀行の相続専用窓口に相談するとスムーズです。
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