管理費・修繕積立金の未納問題
相続放棄後、管理費や修繕積立金の支払い義務を負う相続人がいなくなるため、未納が発生します。これにより、マンションの維持管理が難しくなり、他の区分所有者の負担が増える可能性があります。
固定資産税の未納・差し押さえ
相続人がいなくなると、固定資産税を支払う人がいなくなり、自治体が差し押さえを行うことがあります。しかし、買い手が見つからない場合、管理不全のまま放置されることもあります。
建て替え・解体の合意形成が困難
マンションが老朽化しても、相続放棄された住戸の所有者がいないため、建て替えや解体に必要な決議が困難になります。区分所有法では、建て替えには所有者の5分の4以上の同意が必要ですが、放棄された住戸の扱いが不明確だと合意がまとまりにくくなります。
ゴミ屋敷化・治安の悪化
所有者がいなくなると、放棄された部屋が放置され、不法侵入やゴミの放置の問題が発生しやすくなります。結果的に、マンション全体の資産価値が低下する恐れがあります。
自治体の管理・公費負担の増加
最終的に相続人がいない場合、財産は国庫に帰属する可能性があります。しかし、マンションは個別の部屋ごとに所有者が異なるため、国も管理を引き受けず、実質的に放置されるケースが考えられます。最悪の場合、行政が撤去や管理をすることになり、公費負担が発生します。
今後の対策
- 管理組合の対応強化:相続放棄されそうな住戸を事前に把握し、管理組合で対策を検討する。
- 行政との連携:自治体と協力し、放棄住戸の管理や活用方法を相談する。
- 売却や再活用の促進:所有者不明の住戸が増えないよう、相続放棄前に売却を促す制度を活用する。
老朽化マンションは全国的な問題になっているので、今後さらに法整備や行政の関与が進む可能性があります。
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