「評価が上がる=資産が増えた!よかった!」になりがちだけど、相続・不動産オーナーにとっては“喜べない上がり方”が多い。
不動産の評価が上がると、オーナー側は
- 税金が増える
- 現金が増えるわけじゃない
- 家族が揉めやすくなる
- 出口(売る/継ぐ)が難しくなる
この4つが同時に起きやすい。
① 税金が増える(相続税・贈与税・登録免許税の土台が上がる)
評価が上がると、相続税の計算の“元”が膨らむ。
特に「一次相続は軽かったのに、二次相続で跳ねる」の原因になりやすい。
ありがちな流れ
父が亡くなる(一次)
→ 母が相続(配偶者控除などで税負担が軽く見える)
その間に地価や路線価が上がる
母が亡くなる(二次)
→ 配偶者控除が使えない状態で、上がった評価のまま課税
結果:二次相続で税額が一気に増える。
② “現金がないのに税だけ増える”(これが一番キツい)
評価が上がっても、家賃収入が同じ・空室が増えてるなら
キャッシュは増えていない。
でも相続税は「評価」で来る。
- 納税は原則現金
- 「売ればいい」と言っても、郊外はすぐ売れない
- 売るなら“急いだ売り方”になり、安くなる
つまり
評価アップ=納税資金不足リスクの増大
になりやすい。
③ 分けにくい不動産が「さらに分けにくくなる」
評価が上がるほど、
- 長男が相続したら不公平と言われる
- 共有にしたら揉める
- 売るなら誰が手続き主導するかで揉める
特に郊外築古は
「資産価値が上がった=買い手が増える」ではなく、
“数字だけ上がる”ことがあるのが厄介。
評価が上がると“争う理由”が増える、が現実。
④ 「出口(ゴール)」がぼやけるほど危険
評価が上がると、家族内でこうなる:
- 「もう少し待てばもっと上がるかも」
- 「今売るのはもったいない」
- 「値上がりしてるから保有が正解」
で、出口を決めない。
でも築古は時間が経つほど
- 修繕費が増える
- 空室が増える
- 金融機関の評価が厳しくなる
- いざ売る時に売りにくい
つまり
評価上昇が“先延ばしの口実”になってしまうのが怖い。
⑤ 上がったのが「土地だけ」だと、なお喜べない
郊外あるあるで、
- 建物は古くなって価値が落ちている
- なのに土地評価が上がって税だけ増える
この場合、収益性が上がっていないのに税負担だけ増える。
“実力のない値上がり”は、オーナーにとって毒になりやすい。
じゃあ、評価が上がったら何を確認すべき?
評価アップを“良いニュース”に変えるには、次の3点チェックが必須。
1) 納税資金の耐性
- いくら税が出る可能性がある?
- 現金・保険・売却可能資産で払える?
2) 分け方の設計
- 誰が継ぐ?誰が管理する?
- 共有にしない設計になってる?
3) 出口の言語化
- いつ売る?いつ組み替える?
- 子どもが継ぐなら“事業”として整える?
まとめ
評価が上がるのは「資産が増えた」ではなく、
「税金と揉め事の燃料が増えた」可能性がある。



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