1. 遺言書の有無と種類
遺言書があるかどうかで相続の流れが大きく変わります。
遺言書の種類 | 特徴 | 手続き |
---|---|---|
自筆証書遺言 | 自分で書く。日付・署名・押印が必要。 | 家庭裁判所の「検認」が必要。 |
公正証書遺言 | 公証役場で公証人に作成してもらう。 | 検認不要。確実性が高い。 |
秘密証書遺言 | 内容を秘密にして公証役場に保管を依頼。 | 家庭裁判所の検認が必要。 |
→ 遺言があれば、基本はその内容に従う。ない場合は、法定相続分で分ける。
2. 生前贈与の有無・内容
生前贈与があると、「特別受益」として相続分に影響することがあります。
- 特別受益とは?
→ 例えば、特定の子だけに家や多額の現金を生前にもらっていた場合、相続時に「すでに受け取っている」とみなされる。 - よく問題になる生前贈与例
- 住宅購入資金の援助
- 事業資金の援助
- 多額の預金贈与
→ 生前贈与の有無や内容を確認し、他の相続人と公平性を取る必要あり。
3. 養子縁組の有無
養子も実子と同じ相続権を持ちます。
- 普通養子 → 実親との関係も残る
- 特別養子 → 実親との関係が切れる(未成年者対象)
→ 養子がいる場合、相続人の人数が増えるので、法定相続分も変わる。

普通養子縁組と特別養子縁組の違い
ざっくり言うと…普通養子縁組は「実の親とのつながりが残る」特別養子縁組は「実の親とのつながりが完全になくなる」表で比較すると…項目普通養子縁組特別養子縁組実の親との関係残る消える(完全に断たれる)養子になれる年齢制限なし原則6歳未満(特例あ...
4. 認知・内縁関係の有無
- 認知(婚外子を認めた場合)
→ 認知された子にも相続権がある。 - 内縁関係(婚姻届を出していない事実婚)
→ 内縁の配偶者には基本的に相続権がない(ただし、場合によっては特別寄与料を請求できる)
→ 隠れた相続人がいないか注意が必要。
5. トラブル状況と今後の対応
過去や現在にトラブルがあるなら、早めの対策が重要です。
状況 | 今後の対応 |
---|---|
遺産分割でもめている | 家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てる。 |
遺言の有効性に疑いがある | 弁護士に相談して「遺言無効確認訴訟」も検討。 |
生前贈与に不満がある | 特別受益の主張を検討する。 |
相続人同士の感情対立が激しい | 第三者(弁護士・司法書士)を間に入れる。 |
【まとめ】
相続に特別な事情がある場合は、
「誰が相続人か」「どう分けるか」を正確に整理し、
できるだけ早めに専門家に相談することがスムーズな解決につながります!



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