土地や不動産の価格にはさまざまな基準があり、それぞれ目的や算出方法が異なります。特に「実勢相場」と「公示価格」などの関係を理解すると、不動産の価値を正しく把握しやすくなります。
1. 実勢相場とは?
実際に市場で取引された価格のことを指します。これは買い手と売り手が合意した「リアルな価格」です。
特徴
- 変動が大きい:市場の需給バランスや経済状況によって上下する。
- 地域差がある:人気エリアでは高騰し、逆に不人気エリアでは下がる。
- 取引ごとに異なる:同じエリアでも売主・買主の交渉によって価格が違う。
調べ方
- 不動産ポータルサイト(SUUMO・アットホームなど)
- レインズマーケット情報(国土交通省の指定機関が公開)
- 国土交通省「土地総合情報システム」(過去の実際の取引価格を閲覧可能)
2. 公示価格・基準値価格とは?
「公示価格」は、国が土地の適正な価格を示すために毎年発表する基準価格です。一方、「基準値価格」は都道府県が独自に設定する価格です。
特徴
- 公的な指標:売買価格の目安として使われる。
- 実勢相場より低め:実際の取引価格より少し低めに設定されることが多い。
- 税金や補償の基準になる:相続税や固定資産税、土地収用時の補償などに影響。
調べ方
- 国土交通省「地価公示・都道府県地価調査」で確認可能
3. その他の価格指標
価格 | 説明 | 特徴 |
---|---|---|
実勢相場 | 売買価格 | 変動が激しい |
公示価格 | 国が発表する基準価格 | 毎年1回更新、やや低め |
基準地価格 | 都道府県が発表する価格(毎年7月1日時点) | 公示価格と似た性質 |
路線価 | 相続税・贈与税の計算基準(国税庁発表) | 公開価格の約80% |
固定資産税評価額 | 固定資産税の基準 | 公開価格の約70% |
4. 実勢相場と公示価格の関係をどう見る?
- 実際に売買するなら、実勢相場が最も重要。
- 相続税や贈与税の計算には「路線価」を参考にする。
- 公示価格は「市場価格の目安」であり、実勢相場より低めになりがち。
- 固定資産税の評価額は、公示価格よりさらに低いので、売買価格には使わない。
5. まとめ
- 「実勢相場」=市場のリアルな価格(取引ごとに変動)
- 「公示価格」=国が発表する目安の価格(実勢相場の7~9割)
- 「路線価」「固定資産税評価額」=税金計算の基準価格
不動産の売買では 実勢相場を優先 しつつ、公示価格などを参考にするのがポイントです。
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