新耐震基準(1981年)以前の建物は、とくに「土地工作物責任(民法717条)」のリスクが大きく、オーナーの管理姿勢が強く問われます。
✅ オーナーが注意すべき重要ポイント(民法717条リスク)
① 耐震補強の必要性
新耐震基準以前の建物は耐震性が十分でない可能性が高い。
耐震診断 → 補強工事の検討を怠ったことで入居者が死傷すると、
→「所有者の過失」とみなされ損害賠償責任を負う可能性。
行政指導や技術的助言を受けていたのに放置した場合は、責任がさらに重くなる。
② 雨漏り・外壁剥落・バルコニー劣化の放置
古い建物ほど外壁・タイル剥落やバルコニー破断が起きやすい。
剥落事故はほぼ100%オーナー責任になる。
特に劣化報告が上がっているのに補修しない場合は危険性が高い。
③ 共用部の老朽化(階段・手すり・廊下・鉄部)
階段の腐食、手すりのガタつき、廊下の床の浮きなどは入居者の転倒・墜落につながる。
明確に「危険」と判断できるのに修繕しないと、損害賠償は免れにくい。
④ 電気設備・ガス設備・給排水の老朽化
火災・漏電・ガス事故・水漏れは重大事故につながる。
年数が経つほど事故発生率は上がり、
→ 「設備更新を怠った」オーナーが責任を問われる。
⑤ 耐震性不足の指摘を受けた建物への賃貸継続
特に「区分所有マンションの賃貸」では、
→ 管理組合が耐震性不足と警告していてもオーナーが無視し続けるケースがある。
知っていて放置=重過失扱いとなる可能性。
⚠️ 管理会社からの注意を無視してはいけない理由
管理会社はオーナーの代理として建物管理を行う立場ですが、
最終責任はオーナーが負うため、注意を無視すると次の重大リスクがあります。
🔴 ① 管理会社の報告を無視した=「知りながら放置(重過失)」と判断されやすい
裁判でもっとも不利なのはこのパターンです。
「管理会社から劣化報告書を受け取っていた」
「危険箇所を指摘されていた」
「修繕の見積書も届いていた」
「それをオーナーが放置した」
この場合 → 所有者の責任が非常に重くなる(ほぼ言い逃れできない)。
🔴 ② 入居者・第三者の事故は“予見可能性”が問われる
管理会社の指摘を受けていた=事故を予見できた
と判断されるため、損害賠償額が大きくなる。
医療費
後遺障害の損害
逸失利益
慰謝料
風評損失
建物使用停止による賃料損失
すべてオーナーが請求される可能性。
🔴 ③ 管理会社も防衛のためエビデンスを残している
多くの管理会社は以下の記録を残します:
通知書・報告メール
点検報告書
修繕提案書
写真付き報告
電話記録
→ 記録が残っていると「知らなかった」は通用しない。
🔴 ④ 管理会社は“義務の代行”であり、最終判断はオーナー
管理会社は
危険箇所の発見
報告
修繕提案
までが仕事。
実際に修繕するかどうかはオーナーの意思決定。
オーナーが修繕拒否した結果事故が起きた場合、
責任は100%オーナー側に返ってくる。
⭐ 管理会社からの注意で特に無視してはいけない項目(重要度A)
Aランク(即対応必須)
- 外壁剥落の可能性
- バルコニーの鉄筋露出・破断
- 階段・手すりの腐食
- 屋上防水破断・漏水
- 電気設備の漏電の疑い
- ガス設備の不具合
- 給水管の赤水・腐食
- 耐震診断の必要性指摘
→ 事故が起きる可能性が高いので、最優先で対応。
Bランク(早めの補修が必要)
- 雨漏り
- シロアリ被害の兆候
- 共用部照明の不具合
- 換気扇の停止
- 排水詰まり
- 駐輪場・ゴミ置き場の破損
Cランク(計画修繕レベル)
- 鉄部塗装の劣化
- 軒天の浮き
- 建物周囲の植栽の越境
- フェンスの傾き
🧭 オーナーがとるべき具体的な行動(まとめ)
① 管理会社からの報告は必ず目を通す
② 「危険性あり」の報告書は最優先で対応
③ 写真・点検報告・見積は必ず保存
④ 修繕を断る場合は「理由」を文書で残す(裁判リスク軽減)
⑤ 新耐震以前の建物は耐震診断を実施
⑥ 大規模修繕計画を作り、予算と積立を準備
⑦ 保険(施設賠償・建物管理賠償)を必ず付保



コメント